花粉症は、アレルギー反応のひとつであることは周知の通りです。
人体には、体の外から侵入してくる異物に対して、その物質を排除するはたらきがあります。外部から異物(抗原)が侵入してきたら、人はそれに対抗する「抗体」を作って、体を守ろうとするのです。
その抗体が一定量になったとき、同じ異物(抗原)が進入してくると、その抗原が抗体と結びつき、それまでと違った反応を示すようになります。これがアレルギー反応です。
花粉症に当てはめてみてみましょう。
人は外から侵入してきた「花粉」という抗原に対し、体は「IgE抗体」と呼ばれる抗体を作ります。IgE抗体はすべての人に同じように作られるわけではなく、作られやすい体質かどうかは生まれつき決まっています。この体質をアレルギー体質といいます。(IgE抗体は花粉症の他にもアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などと深く関わっています。)
抗原「花粉」との接触を何度も繰り返すと、IgE抗体はどんどん体内に増えてきます。この蓄積が一定の水準に達したとき、発病する条件が整った状態となります。
この状態で再度花粉に接触すると、抗原(花粉)とIgE抗体が結びついて花粉症の症状が現れるのです。
IgE抗体が蓄積されつつある人でも、一定の水準に達していなければ症状は出ません。いわば花粉症予備軍で、このまま花粉との接触を続けていれば、いつかは発病してしまいます。